早稲田大学教授/医学博士
前橋 明
コロナ対策として、子どもたちにしてもらいたいことを、どのように伝えたらよいのでしょうか?
また、何を伝えたらよいのでしょうか。伝える内容や伝え方のポイント等を考えてみました。
基本的に、子どもたちに伝えなければならないことは、「消毒」や「手洗い」、「うがい」の励行、
「タオルやハンカチ共用」の回避などが、感染防止のための努力として、必要不可欠な事柄ということです。
集団感染というものは、換気の悪い密閉空間や多くの人が密集している所、近距離での会話・発声のある場所で、
密接になると起こりやすい特徴がありますので、密閉空間に大人数が密集し、密接する所に出かけさせないことが大切です。
つまり、子どもたちに避けさせたい場所は、集団感染の危険な環境としての「密閉空間での換気の悪さ(密閉)」、
「人が密に集まって過ごす場所(密集)」、そして、「濃厚接触の起こる可能性の高い場所(密接)」という悪い条件がそろっている所です。
ウイルスに感染した人が一人でもいれば、狭い場所で、しかも、大勢がいっしょに一日を過ごすような場所に行くことは、大変危険です。
そこで、子どもたちに伝える内容を考えてみました。大人に伝えるように、多くのこと を言っても、子どもたちにはできませんので、
ポイントを絞って、3~5つを選んで伝えていきましょう。
ここでは、10個の目標をリストにしますが、お子さんの年齢や状態に応じて選んで使ってください。
例えば、①できていないこと、②必要なこと、③達成感をもたせるために、あえてできている事柄を目標の一つに加えるテクニックも
有効に働きます。できることが増えていくのが、動機づけになっていいですね。
【子どもさんへのメッセージ】
「今、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんたちが戦っているのは、人間のからだの中に入ってきて、
人間を病気にする、時には人間を殺す「ウイルス」という、 普通の目では、誰にも見えない手ごわい敵です。
しかし、みんなをウイルスから守るために、毎日、戦っている人たちが、まわりにたくさんいます。
おうちの人をはじめ、お医者さんや看護師さん、生活に必要ないろいろなものを運んでくれている人、
お店屋さん等、とても多くの人たちが、みんなを守るために(元気にしてくれるために、病気に負けない体力をつけてくれるために、
ウイルスの来ないきれいな場所にするために)、今も戦ってくれています。
みんなも、お友だちと遊べなくなったり、ずっと家の中にいて辛くなったりすると思うけど、今はみんなで力を合わせて、
ウイルスから身を守るときなんだよ。だから、そのために、みんなは、自分のできることにチャレンジしてもらいたい。
では、チャレンジしてもらいたいことを言うよ。できることを、少しずつ増やしていこうね、さあ、みんなもしてみよう。